【練習法】なぜトップコーチは曲がらないポールでの跳躍を大切にするのか

『The Importance of Straight Non-Bending Pole Vaulting in the Development of a Fiberglass Vaulter』

--- "The Pole Vault -A Violent Ballet", p.130より




かつてボウルターは木のポールを用いて、距離(長さ)を競っていました。彼らは可能な限り遠くに跳ぶために、ポールを加速させる方法を理解しなければいけませんでした。そして、竹ポールの時代になると、選手は高さを競うようになりました。そして、おがくずや砂に安全に着陸するための技術を向上させました。グラスファイバーポールを用いるようになって最初の選手たちは、竹やスチール、アルミニウムの曲がらないポールを用いていた選手でもあり、曲がるポールで跳躍に“non-bending(曲がらないポール)”の技術を用いていました。


棒高跳の歴史を通して、曲がらないポールでの跳躍を棒高跳のトレーニングプログラムの中に組み込んでいる事例は世界中にあります。

多くの人が、私と同じように、曲がらないポールから、わずかに曲がるポールでの跳躍、そしてポールを曲げる跳躍へと移行することが、正しい跳躍の動きを習得するためにも、自然な流れだと信じています。


Sergey Bubka氏は、

「曲がったポールは技術的なミスを隠すことができますが、曲がらないポールはすぐにあなたのミスを明らかにする。曲がらないポールで正しい動きができれば、自分がどこにいるかを感じることができる。」

と述べました。


Vitaly Petroコーチは、自身の棒高跳哲学を形成するときに、Cornelius Warmerdam氏が大きなインスピレーションを受けた選手の1人であり、彼の跳躍を勉強したと、私に言いました。Warmerdam氏は竹ポールの達人で、1940年代に何度も15フィート(4m60)をクリアした伝説の選手です。

Petrovコーチは多くの信者と共に、選手を初心者から育成する際に、グラスファイバーでの曲がる跳躍を習得するための手段として、曲がらないポールを使用することを推奨しています。


曲がらないポールでの跳躍は、少なくとも週に1回は導入し、“ Fiberglass days(曲げて跳躍する日)”にもウォームアップとして行います。選手が10〜12歩に助走を下げ、グリップが上がると、この時、短いポールだとわずかにポールが曲がるようになります。


選手が曲がらない跳躍での動きと同じ動きのままに、つまり、「踏切に向けてポールを押し(Pushing the pole)、踏切後にエラスティックにポールの動きに連動し、早くて大きなスイング」を行うと、わずかな曲がりでの跳躍で、垂直方向の“powerful giant”スイングが生まれます。

選手がポールが弾くタイミングでポップできたとき、それはポールから正しい動きができていると知らされる瞬間です。


選手が技術的に苦労しているときは、常に曲がらないポールに戻りましょう。

曲がらないポールでの跳躍なら、選手は何度も繰り返し跳躍を行うことができ、何が悪いのかを発見することができます。


選手に技術的なミスがあると、単純に、曲がらないポールは回転しません(スムーズに動きません)。選手の“straight pole technique(曲がらないポールでの技術)”が洗練されれば、それは、曲がるポールでの跳躍で、技術が大きく変化する準備ができたこと示していると、私は知っています。


How to perform a straight pole, non-bending vault:

1. 6〜8歩での助走で実施する。

2. ポールの先が45度以上になるようにしてスタートする。

3. 加速しながら、ポールの先はドロップさせる。踏切3歩前の時に、ポールの先は、目安としては、目線のわずかに上になる。

4. 踏切3歩前に突っ込み動作を開始する。ポールを垂直へと動かす。

5. ポールの先がボックスの壁に当たる前に、「腕がほぼ完全に伸展する」までポールを押すこと。

6. 両腕を頭の上に動かすることで、「ポールの動きに連動する」ことに集中する。

7. 胴体が肘を越えるときに、下の腕の肘が外側に曲がる

8. 選手が身体が完全に伸展/拡大していることを感じたら、強くて大きい、積極的なスイングを行う。ATTACK!!

9. ポールの回転が45度に達するまでは、腕を伸ばし続ける。決して引かない!

9番は重要です。ポールが45度に達する前に引くと、ポールの回転が遅くなり、股関節からスイングが崩れます。これは「作用/反作用」による反応です。突っ込みで下または前方向に引くこと、また踏切で緊張し体が固まると、姿勢は必ず崩れ、ポールの減速に合わせて動きも減速します。

10. スイングが体を持ち上げたら、体を引きあげながら反転する。



(Translate: 榎)




より詳細な内容、コーチバトラーによるイラスト付きの解説は、本書中にて!!


【"The Pole Vault -A Violent Ballet"】

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