【練習法】正しくポールを曲げるには、ポールを曲げようとしないこと!

『How to Transition Straight Non-bending Pole Vaulting To Short Pole, Slight-bending Fiberglass Vaulting to Fiberglass Vaulting』

--- "The Pole Vault -A Violent Ballet", p.142より



選手が曲がらないポールの動きとポールを垂直まで加速させられようになったら、次のステップは助走を8〜10歩に下げ、グリップを指3本(助走を半足下げる)または1握りずつ(助走を1足下げる)、少しずつ上げていきます。

グリップが上がると、“ポールを曲げようとしなくても”ポールは曲がり始めます。


ポールが曲がらない時も曲がる時も、動作は同じでなければいけません!


ポールを垂直方向に押し上げ、ボックスに突っ込む前に両腕を伸ばします。突っ込み時に、腕が上方に動くように、体全身でエラスティックにポールを押します。体が完全に伸展し、股関節(腰)が動きをリードして、スイングはさらに加速されるはずです。


これこそが、ポールを曲げることを学ぶ、自然な方法だと私は思います。


長年のコーチングの中でも、選手がポールを曲げようとすることで、“straight pole technique”ができていない場面に遭遇することは何度もありました。

私は彼らにブロックによってポールをわざと曲げていることを伝えました。彼らの動きをブロックする踏切からエラスティックにすると、彼らは“跳躍を完成させる“ために十分なスペースを作ることができるようになりました。


ブロッキングとは、エラスティックな踏切を行うために必要な、突っ込みの高さを習得するためのドリルです。

実際には、ポールを動かす自然な方法を理解できていない人もいます。また、ポールを曲げるためにブロックし、さらには決してその動きを変更しない人もいます。


グラスファイバーポールでの跳躍を教えるベストな方法は、曲がらないポールでの跳躍(Straight Pole)から、わずかな曲がりでの跳躍(Slight Bend)、湾曲している中での跳躍(Fiberglass)へと移行することです。


How to “Transition”

1. 6歩の曲がらないポールで振り上げ、背中で着地する。

(女子の場合は12フィート、男子の場合は13フィートのポール)


2. 6歩の曲がらないポールで跳躍。アップライトを遠くしてゴムバーを超える。

この時、少しずつグリップをあげます。通常、選手は握りを1つか2つ上げることができます。


3. 8歩の曲がらないポールでの振り上げ、ゴムバーなし。


4. 握りを1つか2つ上げ、8歩のわずかな曲がりでゴムバーを超える。


5. 10歩のわずかな曲がりで跳躍する。



これらの跳躍を短いポールで行うと、ポールの上部から24インチ(60 cm)あたりまで上がり、さらに腕が体の上方に十分に伸展するとポールが曲がり始めます。


基本的に、下の手(右利きの場合は左手)の肘は曲がり、踏切後に、選手の頭または体がその肘の位置を通過するように動きます。


ポールの立ちが速すぎて、マットの奥に進むような跳躍のとき、そして、選手が高く突っ込み、より高くスイングし、ポールを引く動きが少ない(遅い)ときに限って、グリップをあげます。グリップは、指3本(助走を半足下げる)または1握りずつ(助走を1足下げる)上げます。


重要なのは、選手が握り位置や助走の歩数を変更するよりも、正しい動きを繰り返し行うことができるかどうかです。


曲がらないポールでの跳躍では、ほとんどの選手が、ポールが45度ぐらいになるときに、腕を引き、スイングの“途中”でクリアにいく傾向があります。

重要なポイントは、上半身の伸展を維持させて、ポールの上端までスイングを加速させることです。


選手は少しずつ腕を引くタイミングを遅らせるようになり、最終的には、腕を引かなくようになり、スイングとポールスピードの両方を加速させられるようになります。


The Natural Progression of Extension

選手が自信を持ち始め、pole dropが改善し、さらに遠くから踏み切るようになり、突っ込みが大きくなると、跳躍は良くなります。突っ込みの大きさは、4段階で、成長していきます。

1. Fibernose

突っ込む下の手の位置が、選手の鼻の前になります。


2. Fiberhead



下の手は、選手の額の前の高さまで上がります。

選手が自分の鼻や頭の前に突っ込むと、まるでグラスファイバーが顔にくっつくように見えます。


3. Collapsing Elastic



腕が頭の上方でわずかに曲がっている状態。

これだとrealignできるため、良い姿勢ではあります。素晴らしい突っ込みへの最後の段階となります。


4. Classic Elastic



選手の踏切がぴったりになり、ボックスに突っ込む前に、腕を完全に伸展しポールを押せるようになります。

踏切時に、腕/肩/肘/手が選手の上方へと広がり、体とポールが連動するようになります。Elasticな動きは、ポールを加速します。


※ 繰り返しますが、ポイントは、ポールを曲げることではなく、ポールを動かす、加速させることです。


(Translate:榎)




より詳細な内容、コーチバトラーによるイラスト付きの解説は、本書中にて!!


【"The Pole Vault -A Violent Ballet"】

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