Mechanics of pole vaulting -棒高跳とエネルギー-

棒高跳の力学的研究において、注目すべき項目の一つに”エネルギー”があります。

1990年代までの研究では、主に速度や動作が注目されてきましたが、1990年代の終盤からエネルギーに注目して棒高跳を理解しようという動きが起こります。

これらの研究からわかることは、棒高跳は「エネルギーを獲得してなんぼ!」の種目だということ。

今回は”エネルギー”に注目して、棒高跳を見ていきます。


エネルギーに注目して棒高跳を分析することを目指し、棒高跳(踏切後)を2つの局面に分けたモデルが提案されました。

Ⅰ:踏切接地(TD)~最大ポール湾曲(MPB)

Ⅱ:最大ポール湾曲(MPB)~最大重心高到達(HP)


【エネルギーの種類】

まず棒高跳に関する研究においては、以下のエネルギーが示されます。

①運動エネルギー(動き)

②位置エネルギー(高さ)

③身体(力学)エネルギー(①+②)

④ポールエネルギー(蓄積)


【棒高跳とエネルギー(基本編)】

局面Ⅰ:TD‐MPB

ここでは助走で獲得された運動エネルギーが、位置エネルギーとポールエネルギーに変換されます。

そのため運動エネルギーは減少、位置エネルギーとポールエネルギーは増加します。


局面Ⅱ:MPB‐HP

局面Ⅰで蓄積されたポールエネルギーが、位置エネルギーに変換されます。

そのためポールエネルギーは減少、位置エネルギーは増加します。

また、局面Ⅰで減少した運動エネルギーは、バーをクリアするために維持されます。


【棒高跳とエネルギー(応用編)】

この図は跳躍中のエネルギーの変化を示したものです。

破線で示された身体エネルギーが踏切時(TO1)の身体エネルギーよりも最大重心高到達時(HP)に大きくなっていることに気づきます。

またこのような結果になる過程に以下のことが示されます。

局面Ⅰ:身体エネルギ-の減少量<ポールエネルギーの増加量

局面Ⅱ:ポールエネルギーの減少量<身体エネルギ-の増加量

2つの局面共に、減少するエネルギー量よりも獲得されるエネルギー量が大きくなり、その結果このような結果が示されます。


助走で獲得した身体エネルギーよりも、最終的には大きなエネルギーを生み出せる可能性があります。つまり空中局面中における競技者の振る舞い(筋活動)により、身体エネルギーは大きくなります。これには個人差があります!


このエネルギーの増加には、主に肩関節周辺筋群と体幹の筋力によるものだとされています。しかし、具体的なそれらの筋群の役割について、断定が出来ていません。


エネルギーから棒高跳びを見てわかること。

高く跳ぶためには、大きなエネルギーを獲得すること!

減少を抑え、増加を促す。


何が出来るでしょうか?考えてみましょう。

Boutaka Channel

「Boutaka Channel」は、全てのボウルター(棒高跳競技者)の『もっと高く跳びたい!』を叶えるために活動します!

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