Mechanics of pole vaulting:棒高跳とヘイモデル
前回、これまで示されてきた”モデル”を紹介しました。
その中から最も基本的なモデル「Hay model」を用いて、棒高跳について見ていきます。
Hayは棒高跳に限らず他種目の記録についても、その記録を決定づける要因について示しており、それらを「ヘイモデル」と呼びます。
棒高跳のヘイモデルについて。
Hayは棒高跳を4つの高さに関する要因によって説明しました。
H1:踏切時の競技者の重心高
H2:ポール伸展時の競技者の重心高
H3:突き放し時の競技者の重心高
H4:最大重心高とバーの差
特殊な方法を用いなくても、競技者の棒高跳の記録を決定づける4つの高さは測定することが可能です。そのため、最も基本的なモデルと言えるでしょう。
ここで示される4つの高さは何に影響を受けて決定しているでしょうか?
より高く跳ぶために、1つ1つをより高さを大きくしていくことが重要です。
Hayはそれぞれの高さに影響を与えるものを示しました。
H1は、競技者の形態が大きく影響します。
H2は、ポールの長さが影響します。より長いポールを使用するためには、踏切時のエネルギー(助走速度)、空中での動きの2つが重要になってきます。
H3は、H2に加え、突き放し時により大きな垂直速度を獲得することで大きくすることが出来ます。硬いポールを使用し、上手く反発を受けることが必要です。
H4は、バー上での動きにより大きくすることが可能になります。
いかに「高さ」を生むのか。
棒高跳の記録を向上させるために、ヘイモデルから「4つの高さ」というヒントを得ることが可能です。
競技者・コーチの皆さんは、練習内容を考えるとき、
「この練習はどの”高さ”に繋がるのか」
について考えることで、より充実した練習が行えるのではないでしょうか?
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