【十種競技選手必読!】棒高跳は十種競技で重要なの?
ボウタカチャンネルをご覧の皆さん
ご無沙汰しております。
国際武道大学 陸上競技部 監督の村山凌一です。
棒高跳競技者だけでなく、十種競技者のもっと高く跳びたいを叶えるべく、日々活動しています。
今回は、十種競技を専門とする大学生は必読記事です!
過去にも、同じような記事を書きましたが、「学生の十種競技者にとって棒高跳って重要なの?」という疑問に答えてくれる最新の論文を見つけたので紹介していきたいと思います。
「十種競技って10個も種目があるから、10個分練習しないといけないから大変!」と言われることがあります。
もちろん単純計算するとそうなのですが、実際に専門の人の10倍練習しているかというとそうではありません。
もし10倍練習したとしたら、たちまち十種競技選手たちは怪我や病気に悩まされると思います。
そこで、十種競技選手は、種目共通の要素を探して、最大公約数的なトレーニングを行います。
たとえば、100mと400m、110mH、走幅跳は、スプリント種目だから、スプリント練習1回で4つ分のトレーニングをしたことにするとかです。
こうした感覚的な共通項を統計学的に検討して、いくつの最大公約数を発見できるかを検討したのが、下記の論文です。
10種競技は5要素に分類できる
この論文では2002年から2022年までに活動した日本の学生十種競技者807名を対象にしています。
十種競技を要素分けするとどうなるか、そして、学生トップレベルである6000点後半から7000点を出すためにどのような種目が重要かを検討したものになります。
まとめると、学生十種競技は、5つに分類できるとのことでした。
- スプリント水平跳躍種目(100m、400m、110mH、走幅跳)
- 持久系種目(1500m)
- 回転系投擲種目(円盤投)
- 直線系投擲種目(砲丸投、やり投)
- 鉛直跳躍種目(走高跳、棒高跳)
走高跳と棒高跳が勝負の分かれ目?
また、総合得点に影響を与えやすい項目が、走高跳と棒高跳であるということも示されています。
鉛直跳躍種目は得点の配分的にも差が開きやすい種目であることから、見逃せない重要種目であることが科学的なエビデンスで示されました。
逆に差がつかない種目としては100m、400m、砲丸投が挙げられました。
これらの種目は十種競技を行う上では基礎となる種目(ベースの種目)であることがわかります。
そのほかにも、投擲種目は回転系と直線系で、異なる能力として挙げられました。
一方で、日本の大学生を対象とした研究だったので、八種競技からの移行で新たに増える円盤投の重要性も高そうでした。
このように、要素を分解することができれば、どのような割合でトレーニングを行うべきか導き出されると思いました。
現場の感覚と、科学的なエビデンスを両方兼ね備えてトレーニング計画を立案するコーチングが重要です。
今後は、重要な棒高跳と走高跳をいかに時間をかけずに効果的なトレーニングを行っていくべきかを考えていく必要がありそうです。
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