世界陸上ロンドン2017バイオメカニカルレポート ~Women's~

こんにちは!

先月投稿した世界陸上ロンドン2017大会のバイオメカニカルレポート男子編見ていただけましたでしょうか?

今回は続編の女子編となります。

また今回は前回紹介した男子のレポートと比較しながら、結果を見てい来るといいですね。


以下のURLから誰でもデータを見ることができます。

是非、手元にレポートを持った状態で読んでください!


【INTRODUCTION】

女子棒高跳決勝

2017年8月6日(19:01~21:24)

気温:19℃

自己記録が最も高かったSandi Morris選手(USA)が4m75を跳んで2位。Katerini Stefanidi選手(GRE)がギリシャ新記録でその年の世界最高記録となる4m91を跳んで優勝しました。また、4m65で3位タイとなったRobeilys Peinado選手(VEN)もナショナルレコードをナショナルレコードを更新しました。


【METHODS】

省略します!

男子編を読んでください。

⇒対象となっている試技は以下のリンクから見ることが出来ます。


【RESULT】

Table3;決勝進出者の年齢の平均は25歳で、ここ最近の世界陸上と比べると若くなりました(ベルリン2009;27歳、テグ2011;28歳)。 

⇒新しい世代です!ポストIsinbayeva世代!


Table4;記録の平均は4m62で、テグ2011(4m72)より10cm低く、ベルリン2009(4m58)より4㎝高い結果となりました。


Table5;ボックスから6~11mの区間で見てみると、助走速度の平均は、7.82m/sで、テグ2011、ベルリン2009(共に8.23m/s)より0.41m/s遅かったです。

Table5;踏切位置の平均は3m40で、テグ2011、ベルリン2009(共に3m62)に比べて22㎝近くなっていました。


Figure5,6;踏切直前2歩のストライドについて

⇒男子選手同様に、最後の1歩が縮む選手、ほぼ同じ選手、伸びる選手(Sandi選手)が存在しています。女子の結果からは、多くの選手が最後の1歩でストライドが縮んでいます。


Figure7;踏切直前2歩ごとの速度変化について

⇒棒高跳では踏切時にできるだけ速度を高めておくことが重要とされています。今回優勝したStefanidi選手は最も高い速度(8.61m/s)で踏切を行いました。男子で優勝したKendricks選手と同様に、助走から踏切までの間で、踏切時に最高速度が出ている唯一の選手であることがわかります。


Figure8,9;踏切位置と上グリップ位置の関係と、グリップ幅、グリップ高について

⇒上グリップ位置との差は様々であることがわかります。

男子選手の上位4名は上グリップ位置の真下から10㎝以内で踏み切っていましたが、女子の上位3選手は15㎝以上ボックスよりに入った位置から踏切を行っています。

また最も高いグリップ位置を握っていたのは2位のMorris選手で4m42.グリップ幅はNewman選手が43㎝でやや狭いかなといったところです。男子選手の多くが65~70㎝のグリップ幅であった点を考慮すると、女子は10㎝ほどそれよりも狭いグリップ幅です。Stefanidi選手の74㎝は男子選手並みのグリップ幅ですね。


Table6;踏切時の速度と、踏切角、ポール角について  

⇒30°程度のポール角、20°以下の踏切角で踏切を行っています。男子とほぼ同様です。


Table9;各高さとポール保持時間について

⇒女子選手の特徴としては、ほとんどの選手がポールを離した後の重心の上昇がないということです。使用しているポールの硬さに依存する点はありますが、このような傾向は2000年のシドニーオリンピックから変わりません。ただ、当時は優勝した1名にのみ空中での上昇が見られましたが、ロンドンの結果からは順位に関わらず数名からポールを離した後の上昇が確認できます。

そのことからも、世界のトップを見ても、男子以上に女子の競技成績はグリップ位置の高さに依存していると考えられます。


Figure13;バーと最大重心高時の骨盤位置関係について

⇒男子に比べると非常にばらつきが大きいです。空中での状態(ポールを離した後に上昇してクリアする男子と、ポールを離したときには上昇が終わりクリアをしている女子)が異なることが影響していると思います。


【COACH'S COMMENTARY】 

⇒優勝したKaterina Stefanidi選手のコーチを務めるMitchell Krierコーチによる考察です。

Stefanidi選手が助走中に大きな速度を獲得していないにもかかわらず、踏切前の最後の1歩において対象者の中で最も高い速度を獲得できたことに注目しています。

また、2位のSandi選手とのグリップ幅を比較しています。グリップ幅が74㎝であったStefanidi選手と50㎝であったSandi選手。棒高跳には良いとされるモデルがある一方で、個々人に対して技術を変化、修正することの必要性をを示しています。

さらに、今回の決勝をはじめ近年の主要大会の男女の結果において、助走速度と記録との間に強い関係がありませんでした。もちろん棒高跳において助走速度の獲得は重要です。

しかし”Speed is not everything in the pole vault.”

助走速度よりも踏切前の1歩がより重要です。また良い姿勢で、適切な走動作、そしてポール降ろしが助走で獲得したエネルギーを高さへと伝達するために重要になります。

Boutaka Channel

「Boutaka Channel」は、全てのボウルター(棒高跳競技者)の『もっと高く跳びたい!』を叶えるために活動します!

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