「払われる」って何だろう

棒高跳の指導現場で話題になることの多い「払われる(振られる)」について考えてみます。


払われる(振られる)とは・・・?


そもそも「払う」とは、

『払う・・・横に勢いよく動かす。勢いよく横ざまに振る。(goo辞書)』

とのことです。

つまり、棒高跳における「払われる」とは

『払われる・・・競技者の意思に関わらず、踏切後に身体が動かされてしまうこと』

と説明できるかと思います。


【払われることの弊害】

①ポールに力を加える時間が短くなる。

⇒長く硬いポールを使用するには、踏切後に十分にポールに力を加え湾曲させることが有効です。払われると、ポールに力を与えらえずに、湾曲が小さくなることが予想されます。

それにより十分にポールが立たないという現象が起こります。


②スイング動作が出来なくなる。

身体が払われてしまうと、スイングへの移行が困難になります。ある程度スイング開始までに体が垂直に近い状態であることで、全身を使ったスイング動作が可能になります。


以上の2点で「払われることの弊害」をまとめることが出来ます。

長く硬いポールを用いて、十分なロックバック姿勢を作るためには、払われることはマイナスに働きます。

そして「払われる」という現象のマイナス効果は、ポールの曲がりを利用することに対して、特に大きく働くことが考えられます。

とにかく、「”払われない”跳躍が、絶対に有利!」ということです。


【払われる原因】

「払われる」原因は「グリップが”止まる”」ことにあります。

棒高跳において、競技者は助走で大きな”進むエネルギー(運動エネルギー)”を獲得します。踏切後には助走で獲得した大きなエネルギーをうまく利用して跳躍を行います。

その時に、何かの要因によってグリップの進みが”止まる”ことで、空中において身体に大きな力が作用し「振られます」。


この原因を生み出す要因として、以下の5つが主な要因としてあげられます。

①ポールが硬すぎる

②突っ込み動作の遅れ

③踏切位置が不適切

④踏切の強さと角度

⑤踏切後の振る舞い(上肢の使い方など)


基本的にこれらの要因はその準備動作、前の動作に関連して結果として起こります。「これが要因だ!」と一つに断言せず、丁寧に課題解決を試みるようにしましょう。


【払われているかチェック!】

ここでは、David Butlerコーチの動画を参考にして、「払われていない」を確認できるようなポイントを紹介します。

この動画では跳躍中に現れる3つの垂直の”線”に注目しています。

①踏切時の”線”

Top Hand to Toe at the Takeoff

:踏切時の上グリップとつま先

踏切位置が適切に行えている。また、突っ込み動作が遅れていないことが重要です。


②スイング前の”線”

Bottom Hand Over the Head and Hips

:下グリップとお尻

踏切後に体が垂直のまま、下のグリップの下まで進むことが必要です。

同時に、上グリップの肩が十分にストレッチされているのかを確認してみましょう。


踏切が弱すぎる場合や、踏切角度が過度に高すぎる・低すぎる場合にはこの”線”を作ることが難しいでしょう。

また、下のグリップで強くポールを押しすぎることは、②の”線”を作ることを妨げます。下のグリップでポールを押す行為はポールを湾曲させることを助けることは確かですが、過度に押す行為は「払われる」原因になり得ます。

現に、世界のトップレベルの選手には下のグリップの腕が曲がる選手は多く存在しています。下のグリップの腕を押す以前に、しっかりと②の”線”を作ることを考えましょう。


③スイング中の”線”

Realignment: Arms Extend Toward Vertical, and the Body Goes Hallow

:リアライメント、腕を鉛直方向に延ばし、身体を”ばんざい”の位置に移行させます

スイング開始と共に、上肢でポールを押し返します。

この時、①踏切時の身体と上肢の位置にリアライメント(再調整)します。ばんざいの位置まで上肢を動かしましょう。硬すぎるポールを用いると、この動作が出来ないかもしれません。


この3つの垂直の”線”が現れるということは、「払われていない」証拠になるのではないかと思います。特に②スイング前に垂直の”線”を生み出せるかどうかは、「払われる」という問題においては大きなポイントになると思います。


今回は「払われる」ことについて考えてみました!!

指導者の皆さんも「払われる」について、いくつかの観点を持っているかと思います。

ひとつひとつの着眼点をぶつ切りにせず、繋がりを感じながら指導に役立てていただければと思います!!

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