アスリートは疲労困憊になるまで筋トレするべき?
こんにちは。中京大学の榎です。
実は25日に、Boutaka Channelから重大発表があるらしい??
公表に向けて全力で準備を進めてきました。25日の投稿もお楽しみに!!
そして今回は、「アスリートは疲労困憊になるまで筋トレするべき?」という疑問に対して、以下の論文を参考にお話していきます。
ここでは、疲労困憊までトレーニングを行った場合と疲労困憊まで行わなかった場合、どちらの方が筋力向上に効果的かを検討しています。
この論文では、テーマに関係する論文を集め、その中から条件をクリアした論文のみの結果をまとめており、エビデンスのレベルが高い内容になります。
【エビデンスのレベル??】
論文の内容に入る前に「科学」について!
よく”エビデンス”という言葉を聞くと思います。
「エビデンス = 科学的根拠」を意味します。客観的な裏付けがあることを意味する言葉です。
その「エビデンス」ですが、「エビデンス」はその根拠を示すための方法によってレベル分けをすることができます!!
その中でも今回の論文は、最もエビデンスレベルが高い「メタ分析およびシステマティックレビュー」を用いています。だからこそ、信頼でき、ご紹介したい内容なのです。
これから研究する学生の皆さんは、論文を読むときに「エビデンスレベル」を気にできるとgoodです!
【疲労困憊まで筋トレするとどうなる?】
それでは、今回の論文の内容を紹介していきます。
ここでは、2948件の論文をチェックして、最終的に条件をクリアした8件の論文からデータを得て、結果をまとめています。
対象としているエクササイズは、ベンチプレスとスクワットです。
- 疲労困憊までトレーニングする群
- 疲労困憊までトレーニングしない群
2つのグループに分かれて何週間かトレーニングを行い、どのくらい筋力(%)が向上したかを比較しています。
結果は下記の表のとおりになりました。
そうなんです!!
「2. 疲労困憊までトレーニングしない群」
つまり追い込み切らないグループの方が、筋力向上が見られたんです!
このような結果になった原因はいくつか考えられます。
その中でも、最もわかりやすい原因は,最も大きな力を発揮できる収縮速度の速い筋線維(速筋)が減少してしまうことです。
以前の記事で川間くんも紹介していますが、トレーニングをやりすぎてしまうことで、速筋繊維が減少してしまい、筋力を出せなくなってしまうことが考えられます。
【筋力アップのためのポイント!】
筋肉を大きく(肥大)させたい場合には、週当たりの総負荷量(重さ×回数×セット数)を高めることが重要であると明らかになっています(Schoenfeld BJ, 2019)。
ボディビルダーが最後に軽いダンベルで追い込んでいる理由はこれです。
しかし、筋力アップを目指すアスリートは、筋肥大を目的にトレーニングを行う場合においても疲労困憊まで追い込まずに、負荷は高重量のままで、トレーニングの頻度を高めるなどの工夫で総負荷量を高めましょう!
特に試合期には疲労困憊まで追い込むようなウエイトトレーニングは、お勧めできません。
筋トレも用法用量を守ってお使いください!(笑)
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