【突込】踏切のズレが、跳躍のズレ!

『Getting Trapped at Takeoff』

--- "The Pole Vault -A Violent Ballet", p.66より




UNDER(踏切が近いこと)は跳躍に対して、決して良い影響を与えません。

UNDERとは、上の握り(左脚踏切の選手の場合の右手)の位置に対して踏切位置が、ボックス側に近すぎることを指します。踏切では、上の握りの真下に、踏切位置が来るようにするべきです。

この上の握りと踏切位置を結ぶ垂直のラインより、踏切が前になると、UNDERです。


UNDERになると、選手はTRAPPED(姿勢が崩れたままに突っ込みをすることにより、衝撃に耐えるために、体が硬直してしまう状態)になり、なかなかこの癖を抜け出せなくなってしまいます。



TRAPPEDは怪我の原因にもなります。

姿勢が崩れ、体の軸がずれることにより、ポールを強く押すことができないポジションになってしまうためです。これは、間違ったフォームでウエイトリフティングを行うようなものです。


TRAPPEDになると、基本的に、失敗跳躍になります。ポールが起きる動きは止まり、身体とポールの動きは連動しなくなります。

動きが小さくなったり、止まったりするため、跳躍が分裂しているように見えるでしょう。TRAPPEDは、勢いがあり流れるような跳躍をできなくします。


では、どうやってTRAPPEDを防ぐのでしょう?


助走から踏切にかけて、ポールの先端が止まらずに降りているのか、それとも止まっているのかを確認しましょう。



低いポール保持や、ポールドを降ろすタイミングが遅れることで、踏切位置が近くなり(UNDER)、TRAPPEDの原因になります。


踏切位置がぴったり(ON)のところで踏み切ることにより、選手がTRAPPEDになることを防ぐことができます。



1. 助走中は、ポール降ろしとポール保持を確認します

2. 踏切にかけて、動きが加速しているか減速しているかを確認します

3. 突っ込みが斜め上に向けて加速しているか、固まっているのかを確認します


踏切に向けて、ストライドが広くなっていたり、ピッチが落ちている場合、助走が正しい踏切位置に対して遠すぎることを意味します。この時、選手はストライドを広げることで、距離を調整しようとします。

このような調整も、結果的に、TRAPPEDになってしまいます。

ポール降ろのタイミングがずれていると、オーバーストライドの原因になります。


TRAPPEDにならない方法が分かれば、ポールをより高く押すことができ、踏切も高くなりポールがさらに動くようになります。

跳躍がスムーズかつ、ダイナミックになり、勢いよくバーを越えられるでしょう。



(Translate: 芝井)




より詳細な内容、コーチバトラーによるイラスト付きの解説は、本書中にて!!


【"The Pole Vault -A Violent Ballet"】


Mondo Duplantisやアテネオリンピック金メダリストのTim Mack、Scott Huffmanなど、アメリカのトップ選手やコーチたちからのリクエストに応え、コーチButlerが4年の歳月をかけて完成させた究極の1冊!


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