“ある格言”から始まった広島棒高跳の全貌に迫る回|読むボウタカラジオ

みなさん、こんにちは!

Boutaka Channelの水成です。

今月も「読むラジオ」の時間がやってまいりました!


今回は、地域特集第2弾!

スペシャルなゲストを迎えてのラジオとなりました!

私の地元である「広島」の全貌に迫る回です!



この記事を読む方々に広島県の棒高跳の魅力が少しでも伝わることを願って、熱く発信していきます!


それでは早速、内容を見ていくことにしましょう!


スペシャルゲスト

◯ 井上 恭治 さん

広島の棒高跳クラブ「PVA広島」の代表。

自宅に棒高跳ピットを常設し、多くの選手と交流を図る。

現在は、地元地域のドライバーで、また、日本スポーツコーチング協会に所属。

スポーツコーチングセミナーを開催しています。


◯ 竹内 健 さん

近畿大学東広島中・高等学校教員。

井上さんと20年以上の仲。


◯ 萩原 翔 さん

福山商業高校教員。

昨年までは、尾道商業高校で棒高跳を教えていました。


広島県の棒高跳の歴史(近代史)

Q. PVACが発足したきっかけ

1995年から、学校の土曜日の通学が「隔週休み」になり、そのうち土曜日が完全に休みになりました。

その時に、広島県の教育委員会から広島県体育協会へ「土曜日にスポーツ教室を開催できないか」と要請がありました。


その要請に回答したのが「ハンドボール協会」と「陸上競技協会」のふたつでした。


陸上競技の中で、何をするかとなった時に河野先生(為末大選手を育てた先生)が「棒高跳をやってみてはどうか?」と井上さんにアプローチしました。

そして、2002年4月からPVAを開設し、スタートさせたのがきっかけです。


PVAを開設してから月に1度、教室を開いています!

広島県の棒高跳教室は「毎回この会場で開催するので来てください!」というものではなく、「広島県の各会場に行くので、近くて参加できるなら来てみてね!」というスタンス。


PVAの教室で会場になる高校にお邪魔する時には、「何をして強くなっているのか?」「どんな練習をしているのか?」を参加者と共有しています!


また、どんな人でもウェルカムな雰囲気なのもPVA教室の魅力のひとつです!



■ 水成的ひとこと

実は、水成の棒高跳人生はこのPVAからスタートしました!

教室が近くで開催されたことで、「自分でもチャレンジしてみよう!」という気になり、後輩と一緒に参加したのを覚えています!

十種競技をしていなかったら、このPVAの教室に参加していなかったら、この記事を書いていないかと思うと、人生何があるかわからないですね…!!


Q:陸上競技の中で、なぜ “棒高跳” が選ばれたのか?

広島県立総合体育館の中の図書コーナーに「織田幹雄自伝」という本があります。

その自伝の一文に、以下のようなことが書いてありました。


「陸上競技を発展させるためには “棒高跳” に取り組むことだ」


この一文が、広島県の棒高跳普及のきっかけになったのかもしれません。



織田先生が亡くなった後、井上先生が織田先生をよく知る友達と一緒になる機会があり、「そのような記事を見たことがあるんですが」と確認をしたところ、「確かに、織田くんはそれを言っていたことを聞いたことがあるな!」と言われたそうです。


これが本当のきっかけかは神のみぞ知る!ではありますが、このような経緯で、現在の広島県の棒高跳があります!


■ 水成的ひとこと

実は、竹内先生は織田幹雄先生の出身が同じで、小学校も一緒!

「織田幹雄先生がどんな人なのか」を小学校の時に学んだそうです!

竹内先生も「強くなるためには棒高跳をした方が良い」と書いてあったのを見たことがあるそうです!

このラジオを機に、棒高跳が発展することを願っています!

棒高跳選手が陸上競技界を盛り上げているのかも?!?!?!


広島県の棒高跳が大切にしていること


広島県の棒高跳合宿では「自分の意思を持って強くなってほしい」という思いがあります。

これは、選手が指導者の言いなりになってほしくないという願いから来ています。


選手の主体性や想いを伝える活動として、「1本グランプリ」や「すべらない話大賞」という題目で、自分の思っていることや考えていることを話す企画があります。


ここでは、以下のテーマについて、熱く語ります。

・棒高跳をしてきた中で、1番良かった跳躍

・人生を変えるような1本


始めたての選手は、なかなか話すことは難しいですが、経験値が増えていくにつれて「深み」や「熱量」が増していきます。


自分の意見をアウトプットする練習になったり、参加者全員が、各選手の想いを聞けることで、様々なものを吸収できる良いきっかけになっています。


■ 水成的ひとこと

私も合宿の時には、話をしています!

たくさんの熱のこもった話が聞けることで、内に秘めた感情が湧き出てきます!


このような企画の甲斐もあってか、広島の選手にどのようにしたいかを聞くと、「今日はこの練習をして、このようにしていきます」ときちんと答えられる選手がほとんどです。


コーチから選手に指導をすることは、もちろんありますが、選手から選手にアドバイスをし合って、互いに高め合って、学び合いながら練習をしていることも多くあります。


高校総体の中国地区大会では、各学校の対抗戦ではあるものの、広島県の選手が跳ぶと、みんなで喜びあったりしています!

「チーム広島」で皆が仲良く、高め合えているのが非常に良い雰囲気で棒高跳ができている要因のひとつかもしれません。


■ 水成的ひとこと

棒高跳という競技に出会って感じたことは、“繋がりが強い”ということです。

練習や試合で、互いに高め合うことが一体感が生まれる要因なのかなと感じています!


近畿大学附属東広島中・高等学校の「ボウタカ村」?!

近大東広島高校の棒高跳選手は「ボウタカ村」の村民という表現をされています。


これは、「王国」にはならないかもしれないけれども、「村」から始めて、選手に楽しく取り組んでもらいたいという竹内先生の思いが込められています。

そして、このボウタカ村から、全国大会入賞者やインターハイ出場者を多く輩出しています。


勝負に勝つことだけではなくて、棒高跳というコンテンツを使って「男女問わず友情が深まっていく」ことを大切にしています。


広島棒高跳愛ストーリー1
「引退せざるを得ないのに、引退したくない女子選手」


「本当はまだまだ競技を続けたい」と思う村民が1人います。

彼女は、インターハイの出場権を掴めず、受験に向けて取り組まないとと思う一方で、楽しい棒高跳を続けたいというジレンマに襲われています。


「辞めたくないのに辞めないといけない」


まるでかっぱえびせんのキャッチコピーのようです。

棒高跳は中毒性が高い種目なのかもしれません。


広島棒高跳愛ストーリー2
「競技寿命が伸びるか or 引退か、運命を分けた男子選手の3m40の跳躍」


この日に3m40という記録を出さないと「引退」してしまう高校生の選手がいました。


この記録は、広島県陸上競技選手権の参加標準記録です。

しかし、その選手の自己ベストは3m20。


20cmの自己記録更新をしなければ、確実に彼の高校での棒高跳人生が終わってしまいます。


一緒に練習してきた仲間や、他校の選手でさえも応援をし「跳んでくれ!」と祈った結果…

3m40をクリア!!!


無事に彼は2週間、陸上人生を延長することに成功しました!


■ 水成的ひとこと

仲間との繋がりがあるのが棒高跳の魅力なのだと改めて実感しました。


広島県の棒高跳が心がけていること

多くの選手に伝えていることは、「より多くの先生に教えてもらえるような行動をすることで、自ら学べる環境を作り、応援され続ける人になろう」ということです。


棒高跳という種目は、「頭を下げないといけない」ことがほとんどです。


マットを準備することや、ポールの運搬など、1人ではできないことが多くあります。

だからこそ、人を大切にすることが大切だということを広島県では伝えています。


指導者間で気をつけていること

中学校・高等学校の順位が決まる大会の際、いつも教えているからと言って好き勝手に指導をしてしまうと、選手と指導者のトラブルに繋がりかねません。


その問題が発生しないように、広島県の指導者間では「Hiroshima Polevault Coaching Policy(棒高跳指導者としてのマナー)」を作成し、共有をしています。


 【参考資料】Hiroshima Polevault Coaching Policy(棒高跳指導者としてのマナー)


他の県でも同様の悩みを持っている場合には、参考にしてみるのも良いと思います!


複雑な棒高跳を"簡単に"教える!

広島県では、以下のような用語を使って、練習や技術を教えています。

・かかとおとし

・7マーク

・サリーちゃん

・パラシュート部隊


【参考資料】棒高跳の基本技術(平成17年度版)


面白い用語がたくさんあります!

気になる方は、ぜひラジオを聞いてみてください!


おわりに

皆さま「広島編」はいかがだったでしょうか!


水成の地元、広島の棒高跳が発信できたことがとても嬉しく思います!


次回のラジオもお楽しみに〜!!

Boutaka Channel

「Boutaka Channel」は、全てのボウルター(棒高跳競技者)の『もっと高く跳びたい!』を叶えるために活動します! 運営:NPO法人ボウタカ

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