跳躍を見る時のポイントはどこ?
試合や練習において、指導者は選手の跳躍から改善点や、良い動きを見つけ、指導に役立てることが必要です。
指導者は選手が跳躍を見て、選手が何をしているのかに気づく必要があります。
選手に効果的な指導をするために、跳躍を見る際に注目するポイントを掴みましょう。
また、ポイントを理解したうえで、実際に跳躍を見るための”コーチの目”を養っておくことが重要になってきます。
【跳躍を見る際の注目ポイント】
跳躍を見る際に注目するべきポイントを知っておくことは、指導にとって重要です。
以下に、棒高跳を専門にする指導者が跳躍を見る際に注目している12個のポイントを紹介します。
これらの動きに注目できると、選手の長所や短所を見つけるきっかけになると思います。
1.助走のスタート前
⇒ 選手が集中できている。またポールを持った時に姿勢が崩れていない。
2.助走1歩目
⇒ 姿勢を崩さずに、1歩目から積極的に走り出している。
3.中間マーク(踏切6歩前)
⇒ 走りの姿勢が崩れていない。
⇒ ポールの先が高いままになっている。(目安として、45度より低くならないようにする。)
4.突っ込み動作の始め
⇒ 遅れず、手が低くなっていない。
⇒ 踏切の3歩前から踏切動作がスタートし、踏切足が着くまでに手を出し切ることが目安。
⇒ できるだけ身体の近くで両手を動かしている。
5.踏切足の接地
⇒ 遠すぎず、近すぎない、適切な位置で踏切が行えている。
⇒ 上グリップの腕が顔の横にある。
6.踏切(離地)
⇒ 踏切が完全に行えている。
⇒ 下グリップでポールを曲げるようとしない。
7.踏切後からスイング開始前
⇒ しっかりと体全身が伸びあがっている。
8.スイング前半
⇒ 踏切脚を伸ばしたままスイングが開始できている。
⇒ 両手でポールをバー方向に押し返している。
9.スイング後半(ロックバック)
⇒ ヘッドアップ(顎を上げる動作)をしない。
⇒ 両手でポールを押し続けている。
⇒ できるだけポールに対して高い位置で逆さまになる。
10.伸展
⇒ できるだけ上方向に体を伸ばし続けている。
11.クリア
⇒ バーを越えるまで、空中動作をやりきっている。
12.着地位置
⇒ マットの真ん中(セーフゾーン)に着地できているか。このエリアに着地できていない場合は、安全な跳躍が出来るように、技術の改善、グリップ位置やポールの硬さの変更などの対応が必要です。
以下の動画を使って、もう一度ポイントをおさらいしてみましょう!
【”コーチの目”を養う】
"コーチの目"を養うために、以下の4つの点に気を付けましょう。
① 跳躍を見る位置を見つける
注目するポイントを見るために、最もいい場所(距離や角度、方向)を見つけましょう。
「近づきすぎないこと!」が最も大切です。
例えば、右利きの選手の跳躍を見る際は、踏切位置とバーの位置の真ん中、助走の方向に対して右側の15mほど離れた位置が、一般的に見やすい位置とされています。
踏切や踏切からスイングにかけての動きに注目する場合は、10mほど離れた位置の方が見やすいでしょう。
また、選手の助走や踏切の姿勢を見る際には、マットの向かい側や、選手の後ろから跳躍を見ることも有効です。
② 注目するポイントを決める
選手の長所や短所に注目するようにしましょう。
先に挙げた12個のポイントを参考にするのもよいと思います。
一度跳躍を見ただけで、選手の跳躍の動きひとつひとつを評価することはとても難しいです。
基本的に脳が理解できるのは、跳躍全体のリズムと1~2つの動作くらいです。
③ ビデオを活用する
ビデオは直接跳躍を見て気づいたいくつかの動きのポイントを確認したり、見逃した動きを見返すために使います。
撮影する際にも、①で上げたように、どこから撮影すると注目しているポイントが撮影できるのかを考えると良いでしょう。
一方で、ビデオには短所があることを知っておくことも重要です。
ビデオからは多くの情報を見つけることができるため、時に指導者を混乱させる可能性があります。
④ 選手の特徴を理解する
何度も跳躍を見て、各選手の特徴を理解することが重要です。
今回紹介した内容は、選手自身が自分の課題を見つける際にも役立つと思います。
また、トップ選手の跳躍を見る際にも、彼らの跳躍のいい点を知るきっかけになるでしょう。
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