ボウタカの旅 in フィリピン「ことばが通じなくても、棒高跳があればつながれる」by 小栁
こんにちは、NPO法人ボウタカの小栁です!
2025年2月24日から3月1日まで、フィリピン・カビテ市のAyala Vermosa Sports Hubで「Boutakaキャンプ2025冬」が開催されました。
NPO法人ボウタカとしては初の海外でのキャンプ。
日本からは8名の選手が参加し、現地のトップ選手やコーチたちとともに、約1週間の熱い日々を過ごしました。
私はこのキャンプを通じて学んだことや感じたことを話していきたいと思います。
このキャンプを通して感じた一番のことは、「棒高跳には国境がない」ということです。
言葉がうまく通じなくても、目指すものはみんな同じ。
「もっと高く跳びたい」
このシンプルで強い思いが、文化も言語も越えて、選手同士をしっかりとつなげてくれました。
(写真:みんなで囲んだ食卓の様子)
今回のキャンプで特に面白かったのは、日本とフィリピン、それぞれの競技文化の「似ているところ」と「違うところ」がはっきりと見えたことです。
それぞれについて紹介していきます。
まずは、日本とフィリピンで「似ているところ」
①選手同士やコーチとの関係が仲良し
これは日本もフィリピンも同じでした。
選手たちはとにかく仲が良く、練習の合間や食事の時間はいつも笑いが絶えません。
特にエマーソン・オビエナコーチは、選手ととても親しく接していて、トップ選手のハケット選手とはまるで親子のような距離感でした。
日本の部活でいう「先生と生徒」というより、「人生の先輩と後輩」くらいの近さでした。
②お互いを高め合っている
跳躍がうまくいったときは拍手、失敗したときは「ドンマイ!」と励まし合う姿があちこちで見られました。
国籍が違っても、棒高跳が好きで集まった仲間たち。
練習中は言葉がなくても、目と手で十分通じ合っていたように思います。
③みんな棒高跳びが大好き
とにかく棒高跳への熱量がすごい!
これはどの国でも変わらない共通点だと感じました。
ポールを持つ手の感覚や、助走に入る前の静けさ、バーを越えた瞬間の感動。
細かな感覚の共有は難しくても、「棒高跳が楽しい!」という気持ちだけは万国共通です。
(写真:フィリピン選手との集合写真)
一方で、日本との「違うところ」もたくさん感じました。
これがまた、新しい学びや笑いにつながりました。
①練習時間の長さ
これはもう、キャンプの前半から明らかでした。
日本人選手たちは、普段から長時間の練習に慣れているため、午前・午後ともにしっかり飛び続けるスタイル。
ところが、フィリピンの選手たちは暑さ対策のため、普段は比較的短時間の効率重視の練習をしています。
その結果どうなったかというと…後半になるにつれて、フィリピン選手たちがどんどん疲れ果てていきました(笑)。
「まだ飛ぶの!?」「マジかよ…」という表情をしながら、ポールを抱える姿がちょっとかわいくもありました。
ついには、コーチが脱水症状に!
この違いが一番現れたのが、ある日の練習終盤でした。
日本人選手たちは普段通りのペースで跳び続けます。
しかし、フィリピン勢は徐々にバテ気味に…「ちょっと休んでくるわ…」と日陰に座り込み、次々とダウンしていきます。
そして最後に倒れたのは、なんとエマーソンコーチ本人!
練習を引っ張ってくれていたはずのコーチが、まさかの脱水症状でダウンするという展開に...
(写真:脱水症状になったエマーソンコーチ)
そんな時、迅速に対応してくれたのが、医師免許を持つ日本人の参加者でした。
処置のおかげでコーチはすぐに元気を取り戻しましたが、現地の皆さんからは「日本人、本当にタフだね…」と尊敬のまなざしを向けられました(笑)。
②コーチと選手の距離感がとてもフラット
日本ではコーチ=先生、選手=生徒という意識が少なからずありますが、フィリピンではもっとフラットです。
エマーソンコーチも、時には冗談を言い合いながら、選手と対等に接していました。
選手の失敗に対して怒鳴るのではなく、「こうしてみようか」と寄り添う姿勢がとても印象的でした。
これは選手とコーチがお互いにリスペクトできているからこそだと思いました。
これからも、棒高跳を通じて世界とつながる
棒高跳は、技術を競うだけの競技ではありません。
言葉が通じなくても、一緒に跳ぶことで生まれる信頼や友情が、何よりの価値になります。
そして、いつか競技者としてのキャリアを終える日が来たとき、今回のような「出会い」や「経験」が、「棒高跳をやっていて本当に良かった」と思える理由になるのだと思います。
NPO ボウタカとして初めての海外キャンプは、間違いなく「世界を超えたつながり」を作る大きな一歩になりました。
これからも、棒高跳を通じてもっと多くの人と出会い、学び合い、つながっていきたいと思います。
また世界にでた時にレポートを書いて皆さんと繋がれたらと思います。
では、また!!
(Writer:Koyanagi)
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